北田原城

**北田原城**
この城は生駒市北田原町にあります。約20年ぶりの再訪になります。『大和志』に、坂ノ上丹後守の城とあるようですが歴史など伝承は伝わっていません。西に天野川が流れていますが、河内と大和の国境になり、境目にある城となります。西の168号線を踏襲する磐船街道、現在の163号線を踏襲する清滝街道の合流点を扼する位置にあり、築城をした勢力は大和の国人の城というよりは三好氏や畠山氏など、外部勢力だと想像することもできます。　城の構造を見ても、特にⅢ地点は竪堀が巡らされており規模感は違いますが、以前訪れた和泉の根福寺城と似ている雰囲気があるな、と感じました。Ⅳ地点は土塁を巡らせた塹壕遺構があり、かなり下に下った地点に遺構が残っているのも、特徴的な城と言えます。　ⅠとⅡの2つが主体になっている城でⅠの東側は深い堀が巡り、人工的な竪堀遺構が確認できます。北東、東方面の守備を意識した造りだと思われます。また、Ⅰ郭は西側、北西側、南側と堀切をそれぞれ配されており、厳重です。Ⅰは鉄塔が建っており、良い目印になります。ただ、改変は多少あるものと考えられます。　Ⅱ郭は南北に長く、四角形の櫓跡と思われる土壇が特徴的で、東側の眺望も往時は良かったと思います。直下にⅢ部の竪堀群があり、また西南にあるスロープ状の道からⅤ地点に至り、土橋状の遺構と横堀遺構(塹壕遺構)が確認できます。Ⅵ地点は湧水していて往時は水の確保が可能だったと思われます。Ⅱ郭西側に続く郭には前回の訪問時のレポートにもありますが、社が残っています。　この城の特徴は周囲の防御施設遺構が見所になると思います。ただ昨今の台風の影響の為、社の周辺が荒れているなど、未整備の状態で築城主体が分かっていないですが、破壊を免れて残っている城郭遺構、整備はしてほしいところです。 Googleマップリンク