椿尾城(

**椿尾上城**
奈良県東山山中、奈良市と天理市の境付近の五ヶ谷に城山という山があります。そこが椿尾城と言います。ここは筒井氏が所有していたようで、筒井城が陥落して没落した場合、毎度ここに逃れ、再起をはかっていました。特に松永久秀が大和へ乱入した際、順慶は没落し、この地に逃れゲリラ戦を展開、辰市での反抗をきっかけに、久秀軍をのち撃破し、順慶は大和一国の支配に成功します。後、いつの頃にか廃城となります。　この城は奈良県では名の知れた城で、信貴山、龍王山と並ぶ大和三大山城の一つです。大和志科によると椿尾氏という筒井氏の親類がもともとこの地にいたとあります。標高５２０メートルほどの山で、整備はまったくされていませんが、しかし特に二の丸の郭群は圧巻で、石垣も利用されています。本の丸に通ずる道は不毛な道となっていて、蛇がいるほどです。　南斜辺に竪堀を集中的に配していて、南の守りを重視しています。とくに丸で囲った部分は明瞭です。西側はまだ未踏査の部分もありますが、連郭となっていて広大な郭群が広がっています。要図にある謎のくぼ地部分は倉庫か馬場跡かと思いましたが、高田氏によると、守りの要となる部分で石垣を使用して土塁を屈折させ、横堀を配した極めて発達した縄張りを採用していると述べています。東側本丸一帯は先行で築城されその後に謎のくぼ地部分が造られ以降、家臣団屋敷などを設けるために順次造成されたのかもしれません。また南西の？地点に段々となった（後世の畑か何か）があり、南東方向には田跡らしき段々があります。石垣を非常に多用していることをあらためて感じます。　しかしこの城は大和を代表する城であることは間違いありません、足を運ぶたび、そう思います。整備して奈良の文化財としておおいに活用してもらえたらと思います。　　(2008年4月加筆) ※追加分はこちら

このように石垣も利用している。	郭群。上から
うずもれつつあります。